ベトナム戦記 開高 健【著】 朝日新聞出版
今日の気になる書籍のご紹介
いま話題の書籍や古書などジャンルを問わず
良いなと思った書籍を幅広く
関連書を交えて紹介していきます。
本日の、ご紹介する書籍はこちら。
ベトナム戦記 開高 健【著】 朝日新聞出版(1990/10発売)
ベトナム戦記 (朝日文庫) | 開高 健 |本 | 通販 | Amazon
サイズ 文庫判/ページ数 300p/高さ 15X11cm
商品コード 9784022606075
本の写真
おもてのカバー面です。
うらのカバー面です。
うらのカバー下面です。
おもてのカバーの下面です。
背面になります、書棚にてお探しになられる時など、お役立てください。梱包、発送などの厚みの目安に。
小口になります。梱包、発送などの厚みの目安に。
ピーアール文、参考文、中身ページ写真など、ご参考になれば。
【目次】
●日の丸をいつもポケットに・・・
ベトナムの匂いはすべて“ニョク・マム”
どこへ行っても必ず従軍僧と“憂国筆談”
十七度線国境附近と、そこに住む人びと
●ベトナムのカギ握る?仏教徒
統一力を持つのは仏教徒とベトコンだけ
記者を東奔西走させつ怪情報
烈火の下、八日間のクーデター
●ベトナム人の“七つの顔”
ベトナム人はユーモアが好きである
ベトナム人は寛容であり、短期である
ベトナム人の十七歳には、すぐ火がつく
ベトナム人は命を粗末にする
ベトナム人には三つの性格がある
ベトナム人の心は複雑で、ベトナム人自身にもよくわからない
ベトナム人には、こんなことが起る
●“日本ベトナム人”と高原人
「アメリカも、ベトコンもベトナムから出て行け」
「・・・日本人は殺さない、・・・尊敬している」
●ベトコン少年、暁に死す
●“ベン・キャット砦”の苦悩
ジャングルの海に漂う砦と兵と人
砦の床下にまでおよぶ、ベトコンのトンネル
すべてがつかれきっている、すべてが・・・
●姿なき狙撃兵!ジャングル戦
●ベトナムは日本に期待する
爆撃、砲撃が農民をベトコンに走らせる?
戦争は階段を一つ上った、どこで行くかアメリカ
あとがき
解説 限りなく“事実”を求めて(日野啓三)
1990年(平成2年)流行・出来事/年代流行
■礼宮文仁親王が川嶋紀子と結婚
■バブル経済崩壊で株が暴落
■第1回大学入試センター試験実施
■宇宙探査機ボイジャー1号が初の太陽系の写真を撮影
■黒澤明、米アカデミー賞特別名誉賞を受賞
■F1日本グランプリで鈴木亜久里が日本人初の3位入賞
■記録的な猛暑で水不足が深刻
■ローリング・ストーンズ初来日公演
■ポール・マッカートニー初来日公演
1990年(平成2年)流行ファッション・髪型
■カジュアル・スタイル時代
■イケイケ・ファッション人気
■ショートパンツが流行
■女子高生スタイル人気
■ダウンジャケット
■チノパンツ
■ピーコート
■フィッシャーマンセーター
1990年(平成2年)流行語
■アッシーくん (呼べばすぐ来て、車で送り迎えしてくれる男)
■おやじギャル (父親がするようなことを好んでやるたくましく、男並みの行動力と生活力をもった20代後半の」女性)
■ボーダーレス(境界・境目のないこと)
■成田離婚 (新婚旅行から帰った成田空港で離婚を申し出ること)
1990年(平成2年)ベストセラー
■愛される理由(二谷友理恵)
■真夜中は別の顔上・下(シドニー・シェルダン)
■「NO」と言える日本(盛田昭夫・石原慎太郎)
■ドラゴンクエストIVガイドブック上・下
■明日があるから
■「1998年日本崩壊」エドター・ケイシーの大予告
■文学部唯野教授
■恋愛論(紫門ふみ)
■うたかた上・下(渡辺淳一)
■41歳寿命説(西丸震哉)
関連書
輝ける闇 (新潮文庫) 文庫 – 1982/10/27
開高 健 (著)
Amazonカスタマーレビュー
ヴェトナムで実際に地獄を見た著者が描く、戦場文学の到達点。
銃声が止んだ……
虫が鳴く、猿が叫ぶ、黄昏のヴェトナムの森。その叫喚のなかで人はひっそり死んでゆく。誰も殺せず、誰も救えず、誰のためでもない、空と土の間を漂うしかない焦燥のリズムが亜熱帯アジアの匂いと響きと色のなかに漂う。
孤独・不安・徒労・死――ヴェトナムの戦いを肌で感じた著者が、生の異相を果敢に凝視し、戦争の絶望とみにくさをえぐり出した書下ろし長編。
本文より
窓に黄昏がきていた。
こちらの窓のかなたには塹壕と地雷原、それをこえてゴム林、国道、とり入れのすんだ水田などが見える。あちらの窓のかなたには水田、叢林(そうりん)、ゆるやかな丘、そして果てしないジャングルである。ジャングルは長城となって地平線を蔽っている。その蒼暗(そうあん)な梢に夕陽の長い指がとどきかけている。農民も子供も水牛もいない。謙虚な、大きい、つぶやくような黄昏が沁みだしている。
本書「解説」より
ここにあるどの一行を採っても、それはさながら破裂寸前の果実のように緊張している。そんな緊張をこんな長さで続けるのは、非常の場合である。よくも声を織る糸が切れなかったものだ、と思う。そう思って見ると、ここにある言葉は、小説家の述語や文法ではない。その一つひとつが、開高氏の、寸断され、ばら撒かれた生の断片である。
――秋山駿(文芸評論家)
開高健(1930-1989)
大阪市生れ。大阪市立大卒。1958(昭和33)年、「裸の王様」で芥川賞を受賞して以来、「日本三文オペラ」「流亡記」など、次々に話題作を発表。1960年代になってからは、しばしばヴェトナムの戦場に赴く。その経験は「輝ける闇」「夏の闇」などに色濃く影を落としている。1978年、「玉、砕ける」で川端康成賞、1981年、一連のルポルタージュ文学により菊池寛賞、1986年、自伝的長編「耳の物語」で日本文学大賞を受けるなど、受賞多数。『開高健全集』全22巻(新潮社刊)。
日本三文オペラ (新潮文庫) 文庫 – 1971/7/2
開高 健 (著)
Amazonカスタマーレビュー
大阪を舞台に、猥雑と醜怪の極限を描く、人間の本質を抉り出す快作。 「裸の王様」で芥川賞を受賞した著者が、大阪のアウトロー集団に潜り込み、書き上げた。
大阪の旧陸軍工廠の広大な敷地にころがっている大砲、戦車、起重機、鉄骨などの残骸。この莫大な鉄材に目をつけた泥棒集団“アパッチ族"はさっそく緻密な作戦計画をたて、一糸乱れぬ組織力を動員、警察陣を尻目に、目ざす獲物に突進する。一見徒労なエネルギーの発散のなかに宿命的な人間存在の悲しい性を発見し、ギラギラと脂ぎった描写のなかに哀愁をただよわせた快作。
目次
第一章 アパッチ族
第二章 親分、先頭、ザコ、渡し、もぐり
第三章 ごった煮、または、だましだまされつ
第四章 てんでばらばら
第五章 銀が……
終章 どこへ?
解説 佐々木基一
本文より
新世界そのものは、美術館のある丘のしたにひろがった、むらむらとした湿疹部、または手のつけようもなくドタリとよこたわった胃袋とでもいえるようなところだから、ジャンジャン横丁はそれにつづく腸管みたいなものである。フクスケはその腸管のなかを流れる青い夕靄(ゆうもや)の川のなかにただよっていた。ここ二、三日、彼はなにも食っていなかった。彼のねぐらは胃袋の入口にあたるような、動物園の植込みのかげにあった。そんなところに寝起きしながら干されるというのはすこし妙な気がするが、事実であった。
(「第一章 アパッチ族」)
本書「解説」より
(開高健は)あたかも“すばらしいものは、醜悪な顔つきをしてしかこの世にあらわれない"ということを堅く信じて疑わないかのごとく、人間集団のエネルギーの厖大(ぼうだい)な浪費ともいうべき戦争や、あるいは死と破壊と無のためにのみ巨大なエネルギーを放出して自壊したファシズムの徒労のいとなみのなかに、宿命的な人間の悲しいさがを発見し、そこにひとつの「音楽」をききとることをやめないのである。
――佐々木基一(文芸評論家)
オーパ! (集英社文庫) 文庫 – 1981/3/20
開高 健 (著), 高橋 昇 (写真)
Amazonカスタマーレビュー