鯨の書斎 転がる本のように

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暗渠の宿 (新潮文庫) [文庫] [2010] 賢太, 西村

今日の気になる書籍のご紹介

いま話題の書籍や古書などジャンルを問わず
良いなと思った書籍を幅広く関連書を交えて紹介していきます。

本日、ご紹介する書籍はこちら。

あらすじ

路上に果てた大正期の小説家・藤澤清造に熱烈に傾倒し、破滅のふちで喘ぐ男の内面を、異様な迫力で描く劇薬のような私小説二篇。

デビュー作「けがれなき酒のへど」を併録した野間文芸新人賞受賞作。

貧困に喘ぎ、暴言をまき散らし、女性のぬくもりを求め街を彷徨えば手酷く裏切られる。

屈辱にまみれた小心を、酒の力で奮い立たせても、またやり場ない怒りに身を焼かれるばかり。

書籍情報

暗渠の宿 (新潮文庫) 文庫 – 2010/1/28

西村 賢太 (著)
文庫: 196ページ
出版社: 新潮社 (2010/1/28)
ISBN-10: 4101312818
ISBN-13: 978-4101312811
発売日: 2010/1/28

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

西村/賢太
1967(昭和42)年東京都生れ。中卒。2007(平成19)『暗渠の宿』で野間文芸新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

2010年流行(出来事)/年代流行


バンクーバー五輪開催(銀3、銅2)
サッカーワールドカップ南アフリカ大会で日本大健闘のベスト16
日本年金機構が発足
芥川龍之介賞には磯崎憲一郎直木三十五賞北村薫が選ばれた
小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰還
■新国際線ターミナルが供用開始、羽田空港国際線ターミナル駅が開業
■高速道路一部無料化始まる
■各地で猛暑、熱中症患者相次ぐ
東北新幹線八戸・新青森間開通

関連書籍

あらすじ

中卒で家を出て以来、住み処を転々とし、日当仕事で糊口を凌いでいた17歳の北町貫多に一条の光が射した。夢想の日々と決別し、正式に女性とつきあうことになったのだ。人並みの男女交際をなし得るため、労働意欲に火のついた貫多は、月払いの酒屋の仕事に就く。だが、やがて貫多は店主の好意に反し前借り、遅刻、無断欠勤におよび…。夢想と買淫、逆恨みと後悔の青春の日々を描く私小説集。

どうで死ぬ身の一踊り (新潮文庫) 文庫 – 2012/9/28

あらすじ

非運の長期に散った、大正期の私小説家・藤澤清造。その作品と人物像に魅かれ、すがりつく男の現世における魂の彷徨は、惨めながらも強靱な捨て身の意志を伴うものであった。―同人誌時代の処女作「墓前生活」、商業誌初登場作の「一夜」を併録した、問題の第一創作集。賛否と好悪が明確に分かれる本書には、現代私小説の旗手・西村賢太の文学的原点があまねく指し示されている。

廃疾かかえて (新潮文庫) 文庫 – 2011/4/26

あらすじ

怪し気な女ともだちに多額の金を貸していた同棲相手の秋恵。その人の好さに暴力的な衝動をつのらせていく、身勝手な男・北町貫多を描く表題作。大正期の無頼派作家・藤澤清造の歿後弟子を任ずる金欠の貫多が稀覯雑誌を求め、同行を渋る女と地方へ買い出しに行く「瘡瘢旅行」他、敗残意識と狂的な自己愛に翻弄される男の歪んだ殉情を描く、全く新しい私小説。『瘡瘢旅行』改題。

小銭をかぞえる (文春文庫) 文庫 – 2011/3/10

あらすじ

金欠、妄想、愛憎、暴力。救いようもない最底辺男の壮絶な魂の彷徨は、悲惨を通り越し爆笑を誘う。新芥川賞作家の傑作私小説2篇。

人もいない春 (角川文庫) 文庫 – 2012/1/25

あらすじ

さいころから執念深く、生来の根がまるで歪み根性にできている北町貫多。中卒で家を飛びだして以来、流転の日々を送る貫多は、長い年月を経てても人とうまく付き合うことができない。アルバイト先の上司やそこで出会った大学生、一方的に見初めたウエイトレス、そして唯一同棲をした秋恵…。一時の交情を覆し、自ら関係破壊を繰り返す貫多の孤独。芥川賞受賞作『苦役列車』へと連なる破滅型私小説集、待望の文庫化。

さいごに

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