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慟哭の谷 - 戦慄のドキュメント苫前三毛別の人食い羆 木村盛武 共同文化社

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慟哭の谷 - 戦慄のドキュメント苫前三毛別の人食い羆 木村盛武 共同文化社(1994/12発売)

慟哭の谷―戦慄のドキュメント苫前三毛別の人食い羆
慟哭の谷―戦慄のドキュメント苫前三毛別の人食い羆 | 木村 盛武 |本 | 通販 | Amazon

サイズ B6判/ページ数 179p/高さ 19cm
商品コード 9784905664895

あらすじ・内容説明

1915年12月北海道苫前村。開拓地を襲い、死者8名を出した巨羆。熊害史上世界にも例を見ないこの惨劇の戦慄のドキュメント。

三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)は、1915年(大正4年)12月9日から12月14日にかけて、北海道苫前郡苫前村三毛別(現:苫前町三渓六線沢で発生した熊害。

三毛別事件や六線沢熊害事件(ろくせんさわゆうがいじけん)、苫前羆事件(とままえひぐまじけん)、苫前三毛別事件(とままえさんけべつじけん)とも呼ばれる。日本史上最悪の熊害と評されることもある。

1994年(平成6年)出来事

■日本人初の女性宇宙飛行士・向井千秋さん宇宙へ
関西国際空港が開港
大江健三郎氏がノーベル文学賞受賞
リレハンメルオリンピック開催
オウム真理教によって松本サリン事件発生
■最終戦首位同率決戦中日対巨人
薬師寺保栄辰吉丈一郎の統一王座決定戦
■各地で記録的猛暑
■郵便料金を現在の料金に値上げ(葉書 50円、封書 80円)
■初の気象予報士国家試験が行われる
ナリタブライアン三冠馬

1994年(平成6年)流行ファッション・髪型

■ストリートファッション流行
スノーボード・スタイル大流行
■ソフトジーンズ大流行
■カジュアルの大人化(NYブランド人気)
■ミニスカート・パンツ復活
■プラットフォーム・シューズが人気
■透けない白い水着がヒット

1994年(平成6年)新商品・ヒット商品

セガサターンセガ
PlayStationソニー
■チェロキー(ヤナセ
クイックルワイパー(花王

1994年(平成6年)新食品・ヒット食品

ウイダーinゼリー(森永製菓)
■トッポ(ロッテ)
■すりおろしリンゴ(宝酒造
■ドンタコス(湖池屋

1994年(平成6年)流行語

イチロー効果 (イチローが活躍し、Jリーグにおされ気味だったプロ野球全体に活気を取り戻した)
■同情するなら金をくれ (TVドラマ「家なき子」でヒロイン(安達祐美)の台詞)
■ヤンママ (ヤングなママの略 元暴走族などの「ヤンキー」のママの意味もある)
■Jポップ (日本のポピュラー音楽のこと)

1994年(平成6年)ベストセラー

■日本をダメにした九人の政治家(浜田幸一
■大往生(永六輔
■マジソン郡の橋
■遺書(松本人志
FBI心理分析官上・下
ファイナルファンタジーV(基礎知識編他全4冊)
■天使の自立上・下
■ガン再発す(逸見政孝
■「超」整理法
■日本一短い「母」への手紙

関連書

慟哭の谷 北海道三毛別・史上最悪のヒグマ襲撃事件 (文春文庫) 文庫 – 2015/4/10

木村 盛武 (著)
Amazonカスタマーレビュー

1915年12月、北海道苫前村の開拓地に突如現れた巨大なヒグマは、一軒の民家に押し入り、阿部マユと預かり子の幹雄を惨殺。村人たちは恐怖に震えながらも、ヒグマ退治に乗り出すが、冬眠しそこねて〝穴持たず〟となり凶暴化したヒグマは、悪魔のような知恵を働かせて、村人たちを次々と牙にかけていくーー。
死者8名という世界的にみてもヒグマによる食害事件としては類をみない最悪の惨劇となった「三毛別(さんけべつ)事件」の全貌を、生存者たちへの貴重な証言をもとに描き出す戦慄のノンフィクション。文庫化にあたり、著者の『ヒグマそこが知りたい 理解と予防のための10章』より、著者自身のヒグマとの遭遇事件、さらに福岡大学ワンゲル部の日高山系におけるヒグマ襲撃事件、写真家・星野道夫氏の事件など別のヒグマによる食害事件を検証した二章を特別収録!

羆嵐 (新潮文庫) 文庫 – 1982/11/29

吉村 昭 (著)
Amazonカスタマーレビュー

「クマだ」、男の口から、低い声がもれた……。
村を阿鼻叫喚のどん底に陥れた凶暴な肉食獣!
実際の事件を基に、その恐怖を再現する。

北海道天塩山麓の開拓村を突然恐怖の渦に巻込んだ一頭の羆の出現! 
日本獣害史上最大の惨事は大正4年12月に起った。冬眠の時期を逸した羆が、わずか2日間に6人の男女を殺害したのである。鮮血に染まる雪、羆を潜める闇、人骨を齧る不気味な音……。自然の猛威の前で、なす術のない人間たちと、ただ一人沈着に羆と対決する老練な猟師の姿を浮彫りにする、ドキュメンタリー長編。

本文より
渡道して以来かれらは、多くの先住者たちから羆(ひぐま)が内地の熊とは異った野生動物であることを知らされていた。内地の熊が最大のものでも三十貫(一一〇キロ余)程度であるのに、羆は百貫を越えるものすらある。また内地の熊が木の実などの植物を常食としているのとは異って、羆は肉食獣でもある。その力はきわめて強大で、牛馬の頸骨を一撃でたたき折り内臓、骨まで食べつくす。むろん人間も、羆にとっては恰好の餌にすぎないという。

「おっかあが、少しになっている」人喰いヒグマの暴走

「おっかあが、少しになっている」

――それは、遺体と呼ぶには余りにも無残な肉体の切れ端にすぎなかった。頭蓋骨と一握りほどの頭髪、それに黒足袋と脚絆をつけた片足の膝下の部分のみであった。――

大正四(一九一五)年十二月、北海道天塩山麓六線沢で惨劇は起きた。冬籠りをし損なった「穴持たず」の羆(ひぐま)が民家に押し入り、人間を喰ったのだ。犠牲者の中には妊婦もいた。開拓村を単なる餌場と見なしたかの如くクマは人喰いを続ける。止められる者はおらず、その無力さに村民たちは打ちひしがれた。

吉村昭羆嵐(くまあらし)』は現実の熊害(ゆうがい)事件に取材した圧巻の一作だ。悲劇に見舞われた村の人々はすべて入植者であり、山が持つ真の姿を知らなかった。そのことがいかなる結果を招いたか、裸の状態で自然と向き合った人間がどれほど弱いものかということを、読者は妥協なき殺戮を繰り返す羆の姿から思い知らされるのである。贅肉のない文章によって事実をありのままに書くという吉村の手法が最大の効果を上げている。羆が骨を噛み砕き、肉を毟(むし)る音が行間から聞こえてくるはずだ。

小説の後半では、羆対策を巡って人間たちが迷走するさまが描かれる。未曽有の事態を前にして、天の啓示から学ぼうともせず、保身や衆を頼む思考に囚われた村人の姿は、二十一世紀の今も繰り返される人災の縮図のようである。その中でただ一人、クマ撃ちの銀四郎という男のみが、自然の摂理に身を委ねることの重要さを知っていた。老猟師は、羆よりもむしろ同じ人間の愚行に対して怒りを露わにする。村人に背を向けて去っていく彼の姿は、無知の罪を天に詫びるかのようである。

評者:徹夜本研究会

(週刊文春 2017.10.19号掲載)

ヤマケイ文庫 人を襲うクマ―遭遇事例とその生態 文庫 – 2021/3/3

羽根田 治 (著)
Amazonカスタマーレビュー

出版社より

福岡大学ワンダーフォーゲル部のヒグマ襲撃事件をはじめ、最近、急増しているクマによる事故の実態、原因を解明するノンフィクション。

1970年7月、日髙のカムイエクウチカウシ山に登りにきていた福岡大学ワンダーフォーゲル部5人は、九ノ沢カールで幕営中、突然、ヒグマに襲われた。
近くのにいた他大学の山岳部員に救助を求めるが、クマの執拗な攻撃に遭い、結局3名が亡くなってしまった。
ザックを取りにもどらない、背中を見せて逃げないなど、いくつかの教訓を残し、当時は大変な話題となった。
しかし、報告書は残っているものの、悲惨な事故だけに書籍にもならず、50年近く経過したために事件は風化してしまった。

ところが、最近はクマの出没が多く、各地でクマの襲撃による被害が頻発している。
福岡大学ワンダーフォーゲル部のヒグマ襲撃事故をしっかり検証するとともに、最近のクマとの遭遇被害の事例を追い、生態の解説をする。

文庫化にあたり追記として、著者による最近のクマ遭遇事故の特徴などが追加された。
本文の写真は、ツキノワグマの写真家澤井俊彦氏が野生のクマを活写している。

さいごに

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